こんにちは、Kenzoです。
百貨店の催事で手に入れたスイーツを、コーヒーと一緒に味わう。
このサイトでは、そんな「ご褒美の夜」のペアリングをたくさん紹介してきました。
この記事では、私が毎回やっているフードペアリングの4ステップを、実際に合わせたスイーツとコーヒーの実例と一緒に紹介します。
あわせて、スイーツに合わせたコーヒー豆の選び方と、ペアリング向けの淹れ方のポイントもまとめました。
毎回きっちりやる必要はありません。
「今日はじっくり味わってみようかな」という日や、特別なスイーツを手に入れた夜に、ちょっとした楽しみとして試してみてください。
用意するもの
- コーヒー:いつものコーヒーでOK。少し多めに淹れておくと、温度による変化まで楽しめます
- スイーツ:1〜2種類。同じお店の2種類や、タイプの違うもの(クリーム系と焼き菓子など)を並べると、違いがわかりやすくなります
- お水:スイーツを変えるときに、口の中をリセットするために使います
フードペアリングの4ステップ
ステップ1:スイーツとコーヒーの香りを比べる
口に入れる前に、コーヒーとスイーツの香りをそれぞれ確かめます。
カップを鼻に近づけてゆっくり香りを吸い込み、続けてスイーツの香りも感じてみてください。
「どちらにもナッツのような香りがある」「コーヒーは香ばしく、スイーツは果物の香り」など、似ているところと違うところに注目するのがポイントです。
ここで香りの特徴をつかんでおくと、このあと口の中で起きる変化に気づきやすくなります。
実例:アールグレイとホワイトチョコのベーグルをエルサルバドルのコーヒーと合わせたとき、香りの奥に似た香ばしさを見つけて、「これは合うかもしれない」と期待が高まりました。
香りを比べるだけでも、組み合わせの予想が立てられます。
ステップ2:スイーツだけをまず味わう
次に、スイーツだけを一口食べて、本来の味を確かめます。
甘さ、香ばしさ、食感、口の中に残る余韻。
ここでしっかり味わっておくことで、コーヒーと合わせたときの「変化」がはっきりわかります。
実例:伊勢丹新宿店の催事で買った、多計雄の「ほうじ茶と小栗山のケーク」。
生地全体にほうじ茶が練り込まれていますが、単体で食べると、ほうじ茶の風味は「少しあるかな」という程度の、やさしく控えめな印象でした。
この「控えめだった」という記憶が、次のステップで生きてきます。
ステップ3:スイーツを口に含んだまま、コーヒーを合わせる
ここが一番の見せ場です。
スイーツをまだ口の中に残したまま、コーヒーを一口含んでみてください。
食べ終わってから飲むのではなく、口の中で一緒に合わせることで、2つの風味が混ざり合い、スイーツだけ、コーヒーだけでは感じられなかった味が現れます。

ポイントは、食べ終わる前に飲むこと!
口の中で2つの風味を合わせます。
実例1:先ほどのほうじ茶のケークにコロンビアのコーヒーを合わせた瞬間、控えめだったほうじ茶の香りが一気に迫ってきて、甘みもどっさりと感じられるようになりました。
単体で食べたときとは、まるで別のお菓子のよう。
これぞペアリング、と思える変化です。
実例2:パティスリーSATSUKIの「熊本復興支援モンブラン」は、層ごとに表情が違うモンブランです。
三層をまとめてひと口にしてコーヒーと合わせると、栗の甘さ、クランベリーの酸味、洋梨の香りと、次々に味が顔を出しました。
どこを一緒に食べるかで変化が変わるのも、ペアリングの面白さです。
ステップ4:自分の言葉で表現する
最後に、感じた変化を自分の言葉にしてみます。
上手に言おうとしなくて大丈夫。
「なんか甘くなった」「香ばしさが増した気がする」くらいの、素直な言葉で十分です。
言葉にすることで、自分がどんな味を「おいしい」と感じるのか、好みがはっきり見えてきます。
私は毎回、感じたことをペアリング日記に書き留めています。
あとで読み返すと、「チーズやクリームには、コクのあるコーヒーが好きなんだな」と、自分の傾向がわかってきます。
言葉にするときのヒント
- 香りの言葉:香ばしい、ナッツのよう、チョコレートのよう、甘栗のよう、花のよう、フルーツのよう、スパイシー
- 味の言葉:甘い、ほろ苦い、すっきり、まろやか、コクがある、酸味が明るい
- 変化の言葉:甘さが増した、苦みがやわらいだ、香りが広がった、後味が軽くなった、余韻が長くなった
「〇〇のような」と、知っている食べ物にたとえてみるのもおすすめです。
SATSUKIのモンブランをコーヒーと合わせたとき、鼻から抜けていった香りは「甘栗」でした。
たとえが一つ見つかるだけで、感想がぐっと具体的になります。
うまくいかないときは、飲み方を変えてみる
ペアリングは、いつも成功するわけではありません。
私も、合わないと感じる組み合わせに何度も出会っています。
実例:アールグレイとホワイトチョコのベーグルを、中深煎りのコーヒーと合わせたときのこと。
アールグレイの繊細な香りが、コーヒーのしっかりした味わいに負けてしまいました。
そこで、豆乳を少しとハチミツを加えてカフェオレにしてみると、隠れていたアールグレイの香りがはっきりと現れ、キャラメルのような甘みまで感じられるようになったんです。
ブラックで合わないと感じたら、ミルクを足す、甘みを加える、少し冷ましてから飲むなど、飲み方を変えてみてください。
まったく違う答えが見つかることがあります。

ブラックで合わないと感じたら、ミルクを足してみて!
まったく違う答えが見つかります。
スイーツに合わせたコーヒー豆の選び方
「どのコーヒーを合わせればいいかわからない」という方のために、これまでのペアリングから見えてきた、スイーツのタイプ別の選び方をまとめました。
| スイーツのタイプ | 合わせたいコーヒー | 理由 |
|---|---|---|
| 生クリーム・チーズ・バタークリーム | コクのある中煎り〜中深煎り(オータムブレンドなど) | コーヒーのコクが、乳製品のまろやかさを受け止めてくれる |
| 果物の酸味があるもの(りんご・いちじくなど) | 酸味のある中煎り〜中深煎り(エルサルバドルなど) | 果物とコーヒーの酸味が重なり、甘みが引き立つ |
| ほうじ茶・抹茶・栗など和の素材 | まろやかでナッツ感のある中煎り(コロンビアなど) | 繊細な和の香りを隠さず、香ばしさに寄り添う |
| ブランデーや果実の香りがある焼き菓子 | 華やかな香りのコーヒー(エチオピアなど) | 果実のような香り同士が重なり、香りが豊かになる |
| チョコレート・ココア | 深煎り、または中深煎りのエチオピア | 苦味の重なり、またはチョコの甘さと華やかさの組み合わせを楽しめる |
| 紅茶の香りがする繊細なもの | カフェオレ | ミルクのまろやかさが、紅茶の香りを引き立てる |
| しょっぱいもの(ソーセージ・スナック) | 深煎りのスマトラ(マンデリン)、ブラジル | 重厚なコクと穏やかな酸味が、塩気と脂をすっきり流す |
迷ったら、「スイーツと似た香りのコーヒー」を選ぶのが一番の近道です。
ナッツのお菓子にはナッツのような香りのコーヒー、果物のお菓子には果物のような香りのコーヒー。
ステップ1で香りを比べる習慣があると、豆選びも自然と上手になります。

迷ったら、スイーツと似た香りのコーヒーを選ぶのが近道です!
コーヒーとお菓子の基本の組み合わせは、おうちカフェで楽しむコーヒーとお菓子の組み合わせでも紹介しています。
ペアリング向けの淹れ方のポイント
ペアリングを楽しむなら、淹れ方にも少しだけこだわってみてください。
元バリスタとして、特に大事だと思うポイントは次の3つです。
- ハンドドリップで、少し多めに淹れる:一杯分より多めに淹れておくと、淹れたての熱い状態から、少し冷めた状態まで、温度による変化を楽しめます。コーヒーは冷めてくると、甘みや酸味を感じやすくなります
- 深煎りは少し低めのお湯で:深煎りの豆は、熱すぎるお湯だと苦味が強く出やすくなります。少し温度を下げると、スイーツの甘さを邪魔しない、まろやかな味わいになります
- 豆は飲む直前に挽く:挽きたての豆は香りが豊か。ステップ1で香りを比べるときに、違いがはっきりわかります
ハンドドリップの基本は、元バリスタが新人に教えていた、失敗しないハンドドリップの淹れ方で詳しく紹介しています。
ペアリングの楽しさは、同じスイーツでもコーヒーを変えると答えが変わるところにあります。いろいろな産地や焙煎度の豆を試してみたい方には、京都のコーヒースタンドKurasuの定期便が便利です。全国のスペシャルティコーヒーのロースターの豆が毎月届くので、自分好みの組み合わせを探す楽しみが広がります。
もっと楽しむためのちょっとしたコツ
- 一口は小さめに:スイーツを少しずつ口に含むと、コーヒーとの変化を感じやすくなります
- スイーツを変えるときはお水でリセット:前の味が残らないので、違いがはっきりわかります
- 同じコーヒーで2種類を食べ比べる:ブルトンヌの秋限定ガトー・ナンテ2種を同じコーヒーで食べ比べたときは、栗とショコラの大人の味わいと、かぼちゃとバターのやさしい味わいで、コーヒーの感じ方まで変わりました
- 正解を探さない:自分がおいしいと感じたものが、その人にとっての最高の組み合わせです
一番の楽しみは、感じたことを伝え合うこと
ステップ4で言葉にした感想は、ぜひ誰かと伝え合ってみてください。
同じコーヒーと同じスイーツでも、感じ方は人それぞれです。
自分は「甘さが増した」と感じたのに、相手は「香りが強くなった」と言うかもしれません。
その違いを話しているうちに、自分では気づかなかった味に出会えることもあります。
私にとって、ペアリングで一番楽しいのはこの瞬間です。
実際のペアリングの例
この記事で紹介した実例をふくめ、百貨店の催事で買ったスイーツとコーヒーのペアリングを、サイト内の実食記事で紹介しています。
4ステップの感覚をつかむ参考に、のぞいてみてください。
- 多計雄の焼き菓子5品×コーヒー(「ほうじ茶と小栗山のケーク」×コロンビアなど)
- 栗に溺れる7日間 初日レポート(パティスリーSATSUKI、バックハウスイリエなど)
- ロダスのスコーン5種×コーヒー
- 英国展2026 スコーン実食レビュー
百貨店の催事で見つけたスイーツは、催事の告知記事や現地レポートでも紹介しています。
まとめ:4ステップで、いつものスイーツをもっと特別に
- スイーツとコーヒーの香りを比べる
- スイーツだけをまず味わう
- スイーツを口に含んだまま、コーヒーを合わせる
- 自分の言葉で表現する
この4ステップを知っているだけで、いつものスイーツとコーヒーが、ちょっと特別な体験に変わります。
合わないと感じたら、飲み方を変えてみる。
迷ったら、似た香りのコーヒーを選ぶ。
とっておきのスイーツを楽しむご褒美の夜に、ぜひ試してみてください。


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